ジャパンジャパンリサーチ

Early Orthodontic Treatment, Part 1--J.Clin.Orthod.39:79-90,2004

以下、私が全訳しました。

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DR. GOTTLIEB

今日、矯正歯科における大きな議論の一つは、早期治療か晩期治療かである。皆さんは、どのくらい早期に治療を開始しますか?乳歯列期に治療を行うことがありますか?

DR. MOSKOWITZ

私が乳歯列期に治療を行う不正咬合は、ほんの少数です。ただ一つの例外は上顎4切歯の前歯部クロスバイトです。このような前歯部クロスバイトの多くは、歯性または骨格性の上顎後退があるので、早期治療が正当化されます。マネージメント上の大きな問題がなければ、これらの症例は、上顎拡大をする場合もあるし、しない場合もあるが、上顎前方牽引によく反応し、そして、治療は普通は短期間だ。Dr. Patrick Turleyは、このような症例の優れた治療例を報告している。

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DR. BRAZONES

私は、乳歯列期では、不正咬合を治療しません。私のとって、第一大臼歯と上下の中切歯が萌出することが、リーゾナブルな期間に早期治療目的を達成するための必要条件です。

DR. PHIPPS

私が乳歯列期に治療を行うことを薦める症例は、上顎劣成長のClass IIIである。それは、骨縫合部が閉鎖していないことを利用するためであり、出来れば、将来の外科矯正を避けたいためである。

DR. SARVER

乳歯列期に治療すべき症例があり、それらは大まかに2つに大別される。一つは、永久歯への交代期に役に立つであろうleeway spaceの管理である。この治療は、lingual arch治療で長期にわたる。もう一つは、Class II or Class III治療の成長への関与である。

DR. MALERMAN

重度の骨格性ディスクレパンシィのある症例では乳歯列期に治療してもよいが、私は混合歯列期初期まで待つことを好んでいる。私は、混合歯列期の子供の方が管理しやすく、そして、装置を付けれる大きな第一大臼歯が存在する。

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DR. MOSKOWITZ

ある意味では、これはあまり重要でない質問だ。というのは、多くの矯正医は乳歯列期の患者を診る機会は稀だ。患者は、一般的に、このステージでは矯正医へ紹介されない。

DR. GOTTLIEB

皆さんは、Class IIIs and Class Iの前歯部反対咬合を、7,8歳で治療しますか?

DR. MALERMAN

Class I前歯部反対咬合は、永久歯がうまく生えてくるように、可能な限り早期に治療すべきだ。反対咬合は、下顎前方牽引装置のように作用し、下顎の過成長を起こしうる。加えて、切歯が萌出しつつある時に反対咬合を治すことは、永久歯がひどく不正な位置に萌出してしまってからよりも、簡単だ。

Class III不正咬合のある患者は、混合歯列期初期にClass Iの咬合関係をかえるべきである。これには、機能的顎矯正装置 and/or リバースプルヘッドギアが効果的だ。その目的は、混合歯列期後期/永久歯列期初期に行われねばならないだろう治療を少なくすることである。

もし骨格性Class IIIが上顎の後退または劣成長で下顎が正常なら、出来るだけ早期に治療すべきだ。上顎拡大装置やリバースプルヘッドギアによる上顎のrepositioningが、正常な成長をもたらすであろう。しかしながら、もしClass IIIパターンが下顎の過成長で上顎が正常ならば、患者の成長が終わってから歯列矯正と外科矯正が必要になる可能性が高い。

DR. MOSKOWITZ

前歯部反対咬合の早期治療をする機能的な理由がある。たとえば、好ましくない左右的および前後的な下顎の位置をもたらす干渉の除去。加えて、歯周組織のダメージが、上下顎切歯間の外傷性咬合によって時々、起こるだろう(図1:前歯反対咬合によって生じた外傷性関係に起因する下顎左中切歯に見られる好ましくない歯周組織の変化)。前歯部反対咬合がある場合には、歯列長は、上顎歯列の前歯部でしばしばcompromiseされる。最後に、複数の歯が前歯部反対咬合に関与している場合には、審美面だけの理由で早期治療が正当化されるだろう。

前歯部反対咬合の治療は、上顎拡大を伴っても伴わなくても、上顎の前方牽引がしばしば必要となるだろう。上顎拡大は骨縫合部の離開を起こすのが利点であり、それによって上顎の前方移動が促進されると同僚は主張している。

DR. BRAZONES

私がこのような症例で早期治療をするかどうかは、診断によるだろう。私の目的は、オーバージェットとオーバーバイトをつくることです。私は、通常、Class I反対咬合または機能的要因のある歯性のClass III、そしてマイルドな中顔面の劣成長がある場合にそうする。私は、不正咬合に骨格性の要因があるかどうかを見るために、歯型を咬合器にマウントする。もし真性の下顎前突または中顔面の著しい劣成長のある骨格性Class IIIの治療は、私は延期する。

DR. PHIPPS

私は、上顎劣成長のClass III、歯性のClass III、Class I前歯部反対咬合を7,8歳で治療する。私は、下顎前突の骨格性Class IIIでは治療延期するだろう。

81ページ

DR. SARVER

私は、上顎前歯の表面の磨耗を避けるために、歯性Class IIIとClass I前歯部反対咬合、そして、下顎切歯が前方位にあり治療しなければ歯周組織に問題が生じる症例では、早期治療したい。骨格性症例のprotraction治療は、たとえ外科矯正が最終的に必要となったとしても、発育中では成功する科の鬱せ意もあるし、顔面容姿も改善される可能性もあるだろう。私は、患者がその価値を認識していると知っている。

DR. GOTTLIEB

あなた方は、どのようにして7,8歳で骨格性Class IIIと歯性Class IIIを見分けているのですか?

DR. BRAZONES

それは、良い質問です。正確な診断が大切であり、さもなければ治療は成功しないだろうと、私は思う。正確な診断と治療計画作成のために、中心位でバイトを採得し歯型をマウントすることが大切だと、私は知っている。骨格性位置関係を決めるために、CO-CRの関係はセファロトレースに移される。それから、骨格性ディスクレパンシィは、下顎が前方シフトシナイ状態で、決定されうる。真性骨格性Class III中顔面劣成長の診断能力が、私が治療不可能な患者の治療を開始しないようにする。最初の治療段階があまりにも長いと、親も子供も矯正治療に飽きる。第二段階において、意欲がほとんどなくなっているだろう。

DR. MOSKOWITZ

7,8歳では、前歯部反対咬合の歯性と骨格性の要因を区別することは極めて困難である。前歯部反対咬合の結果としての下顎の位置変化は、SNBやSNBのような従来の側方セファロの計測の価値をしばしば減ずるだろう。上顎切歯の位置不正とA点の確定の困難さがセファロ計測を不正確にしているのかもしれない。また、その年齢では、好ましくない下顎の前方成長は発現しないが、先で真性の骨格性不調和をもたらすだろう。これらの事実が、成長個体の下顎の成長変化を常に正確に予測する能力が我々にはないのと同様に、治療を決定する際に臨床家に能力を要求する。時々、あるClass III症例では、低年齢での過大な下顎骨体長のような、普通でない不均衡を示す。これは、不均衡に成長し成長終了後に外科矯正が適用されるかもしれないことを示している。そのような症例を早期治療すると、矯正医が過剰に不適切に上顎を前方移動して下顎を文字通り「追いかける」ことになる。反対の成長変化が早期治療の短期の改善の多くを限定的なものとするか、またはダメにするかもしれないことを、患者の親は知らされているべきである。

DR. SARVER

7,8歳では、骨格性Class IIIと歯性Class IIIを区別することが大切である。これをセファロ計測だけで区別することはかなり困難だと、私も思う。臨床診査により、前歯がスライドしてClass III又は偽Class IIIになるかもしれず、前後的な顎のdysplasiaの顔面特性を察知できるかもしれない。もし十分に早期にチェックされたなら、「観察と定量化」と私が呼んでいるもののための余地を我々が持てると、私は思う。7歳の子供の治療を受け入れる用意ができていない親も随分いる。彼等が子供の頃には、永久歯に生え変わるまで矯正医を受診することはなかった。私の一般的なアプローチは、親に選択の余地を与えることだ:「ここに問題があります。検査しましょう。そして、1年後にまたセファロを撮ってみましょう。もし重ね合わせが上下顎の成長を示しているようなら、もう少し待つことができるだろう。しかし、不均衡な成長があれば、そのときには決断を要するだろう。」

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DR. GOTTLIEB

それでは、どのように治療するのですか?

DR. SARVER

私がしている真性の骨格性Class IIIの治療は、年にわたって変化してきた。20年前には、チンカップがデンタルコンペンセイションや外科矯正以外の唯一の選択肢だった。今日、上顎の前方牽引がある。私の前方牽引の現在のやり方は、拡大装置を装着した日にフェイスマスクを渡す。拡大装置は1週間のあいだ1日に1回、活性化し、フェイスマスクは90日間、使用する。それから、RPEは次の週も活性化され、フェイスマスクも次の90日間、使用する。このサイクルをもう一回繰り返す。このアイデアは、一度に全てを解決しようとはしないで、縫合部を揺り動かし、RPEで口蓋正中縫合を治癒させ、それから再度揺り動かす。我々が達成しようとしていることは、歯の移動ではなく、骨格性変化である。

DR. GOTTLIEB

結果は安定していますか?

DR. SARVER

勿論、大切なのは、いかにうまく長期間にわたって前方牽引を維持するかであり、多数の異なる結果の研究が報告されている。1997年に、私の診療所でなされた研究を発表した。それは3年の予後をみたものです(1)。この研究では、マイナスのオーバージェットを持つ患者を直ぐに治療し、ブラスのオーバージェットに100%なりました。私の患者群では、上顎牽引はかなり安定していました。リラプスは、あったとしても、上顎前方牽引の量が失われたのではなく、不均衡な上下顎の成長によるものだ。

DR. GOTTLIEB

早期治療についてのよくある意見の不一致は、Class II, division 1不正咬合だ。あなたの意見では、最適な治療開始時期は何時ですか?

DR. SARVER

それは診断によります。Class II, division 1という言葉は上下歯列の関係を指すのであって、骨格性の関係を意味するものではない。これがアングル分類の限界だ。もし患者が下顎の劣成長による

Class II, division 1であれば、前思春期の成長スパートに合わせて治療を計画するだろう。もし歯槽性の前突であり下顎が正常なら、永久歯列期まで待ち、抜歯と前突を少なくすることによって治療するだろう。側貌と顔面は年齢とともに平坦になり、中等度に上顎が前突したClass IIは成長の変化によって治療されるかもしれず、顔面の若々しさは年齢でプロテクトされるというアイデアを述べておこう。

DR. MOSKOWITZ

ほとんどのClass II症例の矯正治療を開始する最も適した時期は、混合歯列期後期だろう。Eスペースがまだ残っており、第二大臼歯が萌出していない。この時期の治療は、第一第二段階治療というよりも、単一の包括的な治療であると言えよう。もちろん、第一第二段階治療も大きな利点はある。上顎大臼歯の遠心移動装置のような、患者の協力の必要としないテクニックは、この時期で最大限の働きをするだろう。

混合歯列期後期よりも早くに治療したいClass II症例がある。若い患者で切歯の破折が起こるかもしれない著しい上顎切歯の前突のあるClass II症例は、混合歯列期後期よりも早くに着手されなければならない。拇指吸引癖のような悪習癖を伴うClass II症例は、より早く治療されるべきだ。上下顎切歯間に下唇がくる症例も同じことが言えよう。機能的なクロスバイトのような問題のあるClass II症例も、早期に治療されるべきだ。

DR. BRAZONES

Class II, division 1を治療する最適なタイミングは、もし患者の協力が得られて、第二大臼歯を含めて永久歯が生えそろっているならば、成長がスパートしている時期だ。答えは、診断の中にあり、治療目的が何であるかの中にある。私は以前は早期に治療開始していたが、保定が始まる時期には、まだ第二大臼歯が部分的に埋伏し咬合に関与していないことがわかった。

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DR. MALERMAN

私にとって、Class II, division 1の最適治療時期というのは、その患者の持つ問題点のタイプによる。もし上顎骨and/or上顎歯が著しく前突しているならば、上顎後方歯の後方牽引するためにand/or水平的な上顎の成長を抑制するために、ヘッドギアを使用することを私は好んでいる。理想的な時期は、前思春期の成長スパートが開始する頃で、9から10歳ぐらいだ。この年代の患者の方がもう少し年長よりも協力してくれ、患者の成長スパートを利用すれば装置のよる治療期間を短縮できる。

もしClass II, division 1が下顎の後退または下顎歯の後方への過大な傾斜が原因ならば、下顎の成長を増加させるために、思春期の成長スパートを利用することを再度、薦めるだろう。そうするために、私は、機能的顎矯正装置、バイオネータを頻般に、Adresen activatorをたまに、薦める。

DR. GOTTLIEB

Class II関係の度合い、またはANBの大きさは、問題となりますか?

DR. SARVER

私は、Class IIの度合いを治療計画に反映させます。なぜなら、距離の大きさは、異なる治療が必要となるからである。しかし、早期治療を行うかどうかを決めるのにANBを使うことは、めったにありません。その理由は、ANBは治療のタイミングとほとんど関係ないし、治療しようとしている問題点とさえほとんど関係ないからだ。たとえば、ある患者はANBが大きいかもしれないが、軟組織が厚く骨格の関係をカモフラージュしているかもしれない。私たちの多くは、著しいオーバージェットは外傷性の傷害を引き起こす可能性があり、早期治療の正当な理由となると理解していると、私は考えている。私がClass IIIについて少し前に述べたように、早期治療は、時間とお金をかけるに価値があるだけの、顔面容貌の改善が時々、得られうる。

DR. MOSKOWITZ

ANBが大きければ大きいほど、私は歯の交換期での治療を考えることが多いだろう。もし我々が早期治療によってClass Iの骨格関係とClass Iの歯の関係を得られるのであれば、通常の固定式矯正装置を使う時期にきた時、簡単な歯の配列だけが残っていることになる。

大きなANB値をもつClass II症例のほとんどは、歯性と骨格性の両方の要因を持っている。著しく大きな骨格性の不調和は、早期に矯正治療を始めることを意味しているかもしれない。成長中の患者のClass IIの是正の一部は、上顎と下顎のdifferentialな成長のベクトルに頼っている。一般的に、下顎は上顎よりも1年間に数ミリ余計に成長するだろう。もし上顎と上顎歯列弓の前方成長または前方位が留められたら、このdifferentialな成長は、下顎が上顎にキャッチアップにするにつれて、Class IIの是正に寄与する。このような大きな骨格性の不調和があると、Class IIから理想的な矢状関係にするのに余計な時間が必要になるかもしれない。

DR. BRAZONES

full-cusp Class II大臼歯関係は第一段階治療では完全に治せないと私はわかているので、このような症例では永久歯が萌出するまで待つ。ANBが大きければ大きいほど、歯列矯正だけで私ができることは少ないと私は知っている。もし私の治療目的が理想的なoverbite/oberjet、審美的に最適な顔面、機能的な咬合のClass I大臼歯関係にすることであるならば、永久歯列に生え変わるのを待つことが必要だ。こうすると、外科矯正になるかもしれませんが、治療期間を短縮しヘッドギアや抜歯の必要を少なくできる。さらにいえば、ヘッドギアや抜歯によるClass II治療は、鼻唇角に影響するだろう。もし上顎が顔面プロファイルにおいて良い位置にあり下顎が小さいならば、非抜歯で、ヘッドギアを使わず、十代半ばの外科矯正を説明するだろう。

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DR. PHIPPS

科学の知見と経験から、ほとんどのClass II, division 1を混合歯列後期または永久歯列期前期よりも早期に治療することにほとんど利益はない。重症度についていえば、オーバージェットが8mm以上が私にとっての早期治療の指標になる。

DR. GOTTLIEB

ある最近の研究では、切歯のオーバージェットが7mmまたはそれ以上の患者で、バイオネーターまたはcombi headgearによる早期治療群と、永久歯列期まで治療を延期した群を比較した(2)。これらすべての3群において幾らかの歯の歯折を認めたが、治療を延期した群でも他の群に比べ著しく多くはなかった。この結果を見ても、早期治療を正当化するのをやめませんか?

DR. PHIPPS

やめない。これが歯科医または親が心配しているものでなければ、ほとんどの患者の早期治療の判断基準として切歯の歯冠の破折を考慮しないだろう。

DR. MALERMAN

歯冠の破折の危険性は、治療を考えるときに、考慮しなければならないものの一つに過ぎない。

DR. SARVER

その研究を知っているが、早期治療を選択する他の理由が多くあるという立場を、私はとる。往々にして、著しいオーバージェットまたはunderbiteが改善されることの心理的社会的な利点が最も重要だ。切歯の破折の可能性の問題は、審美性の問題と同様に、付加的なものだ。なにが正しいかについてのマップを示すことが我々の仕事であるという考えに、私は疑いをもっている。臨床医は、ケースバイケースで患者を評価しなければならない。もし親が早期治療を躊躇し、インフォームドコンセントの文書で事実を知らされているならば、治療を遅らせるのに何の問題もない。

DR. BRAZONES

何かネガティブな社会的な要因があるかどうかを、私はいつも両親に尋ねますーーからかい、自信のなさ等ーーそして、早期治療をすることによって、一般的な矯正治療をしなくてすむことはないだろうが、学校での自意識の確立を助けるかもしれないと両親に説明する。私は、切歯の破折を防ぐために早期治療を薦めたことはありません。

DR. GOTTLIEB

切歯の破折の可能性や患者の自意識の問題は別にして、上顎前歯の前突を早期に治療する時に、あなたの決定に影響する他の判断基準は何ですか?

DR. BRAZONES

もし上顎切歯部に空隙があるか又は前突があれば、下顎切歯が上顎切歯の舌側の咬合するように上顎切歯を後退させることを薦めるかもしれない。これが、下顎切歯が口蓋にまで萌出するのを止めるのを助ける。切歯の咬合とガイダンスの確立は、オーバーバイトの増加を妨げるためには、そして、vertical dimensionを維持するためには、重要である。

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DR. MALERMAN

上顎切歯の前突それ自体が、早期治療の決め手になるわけではない。オーバージェットの水平的な量が大きければ大きいほどーー上顎切歯の前突とは少し違うーー早期治療の適用の度合いが大きくなる。問題が歯性というよりも骨格性のものである時、私は早期に着手する傾向にある。整形外科医が可能な限り若いうちに骨を整形しようとしているように、矯正医にも同じ考えを当てはめるべきだと私は考えている。

DR. MOSKOWITZ

上顎前突によって起こる機能的な問題についていえば、個々の患者によってバラツキが大きいと、私は考えている。それ故、私は、個々の患者に適用できるかもしれない又は適用できないかもしれない先入観なしに、それぞれの患者において上顎前突の影響を評価する。

DR. PHIPPS

私はClass IIの治療にHerbstを主に使用しているので、オーバージェットが8mmまたはそれ以上の重度のClass II患者はHerbstによる早期治療をしばしば受けることになる。もし再発したら、2度目の治療が受けれる。

DR. GOTTLIEB

あなたは、Herbst治療によって若年者に起こりうる好ましくない副作用ーー例えばIMPAの増加などーーをどのようにコントロールするのですか?

DR. PHIPPS

私はDr. Terry Dischingerによって紹介されたedgewise Herbst designを使用する。それは、下顎切歯の唇側傾斜を最小にするために、リンガルトルクのはいった下顎切歯ブラケットと角ワイヤーを併用する。

DR. GOTTLIEB

片側性Class II, division 1不正咬合を早期治療をするのに、どんな緊急性があると、あなたは考えていますか?

DR. MALERMAN

それは、片側性Class IIの原因による。もし上顎歯が片側性にあまりにも前方にあるならば、大臼歯を元の位置に戻してやることが早ければ早いほど、より正常に側方歯は萌出するだろう。もし下顎歯があまりにも後方にあるのであれば、治療するまでに、永久歯がほとんど生えるまで待たねばならないだろう。

DR. MOSKOWITZ

片側性であるからといって、他のClass II症例よりも必ずしも早期に治療するとは限らないが、下顎に非対称があれば、私は早期に治療するだろう。

DR. SAVER

片側性のClass II関係が下顎の非対称によるものであるなら、アーチと下顎の対称性を得るために、私は、片側性Herbst装置でしばしば治療する。

DR. GOTTLIEB

あなたは、起こりうる下顎切歯の好ましくない前方移動をどのようにコントロールするのですか?

DR. SARVER

このような症例では、Herbst治療で起こる歯槽性の変化を、私は進んで受け入れる。Herbstは歯に固定されるので、歯の移動は起こる。患者の年齢のよって、治療によって起こる骨格性の反応と歯性の反応の割合は異なる。一般的には、年少の患者では思春期後期の患者よりも骨格性の反応がおこり、後者ではむしろ歯性の反応が起こる。しかし、完全に骨格性の反応が起こるとは限らない。臨床医は、治療目標が何であるかを決め、それに続く治療を決める責任がある。

DR. GOTTLIEB

完全に永久歯列期になる前のClass II, division 2不正咬合を、あなたは治療しますか?

DR. MOSKOWITZ

Class II, division 1不正咬合を治療する理由の多くが、Class II, division 2にも当てはまる。どちらの症例も混合歯列期後期に治療を開始すると、多くの利点がある。すなわち、上顎拡大のような初期の移動の幾つかはこの時期になされる。Class II, division 2を早期治療したいと私が思う幾つかの要因がある。それには、非常に深いoverbiteや著しくフレアした上顎側切歯を放置することによって起こる機能的な問題も含まれるだろう。

DR. MALERMAN

上顎側方歯がはるかに前方にあるClass II, division 2の患者なら、大臼歯関係をClass IIからClass Iにするために、私は早期治療を考えるだろう。下顎がはるかに後方にあるClass II, division 2の患者なら、通常、治療は混合歯列後期から永久歯列早期まで延期されるだろう。

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DR. PHIPPS

私は、殆どいつも、どんなClass IIも永久歯が生えそろうまで、治療を待つ。私は、division 2患者では、6ヶ月早く治療し、division 1にし、それから、Herbstでedge-to-edgeに位置づける。

DR. SARVER

Class II, division 1と同様に、division 2患者において問題が骨格性で成長ガイダンスを要するならば、永久歯列期になる前に、私はdivision 2を治療する。

DR. BRAZONES

もし必要なら、上下顎切歯を揃えるために、第一段階治療を説明する。また、ヘッドギアやバイトプレーン治療も私は考えるだろう。私の目的は、上顎切歯をより良い位置に誘導し、上下顎切歯の咬耗を避けることです。これによって、第二段階治療が楽になるわけではない。私は成長パターンを説明し、家族も全般的な治療が第二期治療で必要になることを知っている。

DR. GOTTLIEB

あなたは、早期治療期においてヘッドギアのような患者の協力が必要な装置に頼るのですか?

DR. MOSKOWITZ

ヘッドギアは、矯正装置の中で、恐らく、本当に力を発生させる、そして使用時間に相応した力を発生させる装置だ。ヘッドギアが適切に装着されたなら、顎外力の結果は、他のほとんどの付加的な矯正装置より優れている。残念なことに、ヘッドギアは、多分、今日の矯正装置の内で最も人気のないものの一つだろう。多くの診療所では、滅多に用いられない。私は、出来るだけ、使用するようにしている。患者の選択が、ヘッドギアを成功させるためには、重要な要因となる。また、患者とその親に利点を説明し、その使用を支援する時間をさくことが、ヘッドギアの使用に当たって絶対条件である。ヘッドギアは、患者の協力を必要としない装置や機能的顎矯正装置によって起こりうる好ましくない反対方向の動きなしに、顎整形的な(orthopedic)効果をもたらしうる。とは言うものの、私は、一部の親や患者はヘッドギアの使用を受け入れないことを知っている。その結果、我々は、矯正的不調和を解決するために、患者の協力を必要としない他の方法を探さなければならない。

DR. MALERMAN

私は、矢状的な矯正には患者の協力が必要な装置を用い、側方的な(transverse)矯正には協力の必要でない装置を使う傾向にある。8, 9, 10歳の子は、通常、非常に協力的なことを、我々は知っている。6, 7歳の子は、直ぐに飽きる。11, 12歳の子は、権威に対して反抗し始める。協力が必要な装置は、"middle-aged"な歯の交換期の患者に非常に有効だ。

DR. PHIPPS

協力が得られるかどうかわからないので、私は、ヘッドギアを滅多に使用しない。私は、Herbstを好んでいる。

DR. BRAZONES

私は、ヘッドギアを、よく使用する。もし患者の協力が問題ならば、第二段階における他の方法をも説明議論する。それは、永久歯の抜歯and/or顎手術。それでも幾人かの患者はヘッドギアを装着しようとしないが、他の患者はより動機づけられる。患者が先生と一緒に治療を進めようとするかどうか、または、我々矯正医が独力で治療を進めるかどうかを決定することは重要だ。それが、第一期治療が成功するか、失敗するかの判断材料となる。

DR. SARVER

私は、早期治療期において、よくヘッドギアを使用する。24時間の力が必要で患者の協力が疑わしい時には、協力を必要としない装置を使用する。しかし、私の考えでは、私が望む三次元的な変化を得るために、顎外ベクトルの必要な力を要することもある。一方、herbstは、多くの場合、前後的な変化だ。

DR. GOTTLIEB

第一期治療において、機能的顎矯正装置を使用しますか?

DR. PHIPPS

幾人かはHerbstを機能的顎矯正装置と考えているが、可徹式の機能的顎矯正装置を指しているのなら、私の答えはノーだ。

DR. SARVER

私は、可徹式の機能的顎矯正装置を、もうあまり使用していない。

DR. BRAZONES

私は、下顎を前方に位置させる装置は使用しない。私は、顎関節を心配するし、長期に渡って何が起こるのかを心配する。もし診断が頭蓋下顎の(craniomandibular)ディスクレパンシィーであるならば、その治療は顎関節のリモデリングに注目すべきではない。

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DR. MALERMAN

我々は、機能的顎矯正装置を前思春期の成長スパートの初期に、女子では9歳位で男子では10歳位で、使用することが多い。通常、最初の3-6ヶ月は素晴らしい協力が得られ、その後、協力は徐々に得られなくなる。もし効果を得ようとするなら、機能的顎矯正装置の使用初期に得なければならない。我々のところでは、うまくいっており、通常、ANBが25-50%減少している。

DR. MOSKOWITZ

私は、混合歯列期に機能的顎矯正装置を使用して効果をあげているが、以前ほど熱心ではない。Class II治療において、機能的顎矯正装置の長期使用が中顔面へ力を加えるより優れているとは、まだ証明されていない。臨床医は、機能的顎矯正装置による短期間の効果に、しばしば感動し、下顎歯列の長期の安定性にはかなり妥協してしまう。望ましくない過度の下顎歯列の前方移動は、機能的顎矯正装置でよく起こり、その結果、別の不正咬合を作ってしまう。

DR. GOTTLIEB

混合歯列期のClass II, division 1不正咬合の治療の際に、大臼歯を多めに遠心移動しますか?

DR. SARVER

診断が下顎の発育不全以外のものであるならば、我々は、咬合歯列期において大臼歯を多めに遠心移動する。叢生と前突が、大臼歯の遠心移動の良い指標になる。我々がオーバーコレクションする理由は、永久歯列期になって、アンカレッジを得るよりロスさせる方がはるかに容易であるからだ。

DR. BRAZONES

前後的な矯正におけるリラプスやリバウンドは、治療に先立っての正確な前後的な診断がなされていない結果だと、私は考えているので、私はオーバーコレクションしない。私がCRで咬合器に装着しCRとCOの差を測定し始めてから、リラプスやリバウンドは咬合器に装着しない模型の不正確さによるものだとわかった。

DR. MALERMAN

我々は、Class IIのClass Iと同様に、すべての症例で僅かにオーバートリートする傾向にある。なぜならば、ヒトの生体における生理学的回復あるように思え、それが我々が行った治療を台無しにするからである。Class IIを僅かにオーバーコレクトすれば、我々の治療結果を台無しにすることなしにリバウンドする。

DR. MOSKOWITZ

私は、大臼歯関係をsuper-Class Iにする。私は、混合歯列期後期に、この作業に取り掛かる。

DR. MOSKOWITZ

上顎大臼歯が遠心移動したなら、それが位置に留まるようにし、それが近心傾斜するようなメカニックスは避ける。私は、上顎大臼歯に中等度の遠心移動作用のあるmodified 2 X 4を好む。必要なら、歯根の直立化のために、ヘッドギアのアウターボウを上げる。

DR. PHIPPS

私が早期に治療開始するClass II, division 1患者は、オーバージェットが著しい症例だけなので、私はリラプスを予測している。私は、出来る限りオーバーコレクションするようにしている。

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DR. BRAZONES

私もそうしたいが、それはそんなにしばしば起こらないようだ。もし患者の成長パターンが良ければ成長中も維持されているだろうと、私は、通常、考えている。もし成長がパターンが好ましくなければ、修正が必要となるかもしれないが、歯の関係よりも骨格性パターンが問題なのだ。

DR. SARVER

我々は、永久歯列になり本格的な治療が出来るまで、オーバーコレクションを維持するようにしている。

DR. GOTTLIEB

Class II, division 1を二段階で治療するとき、平均的なトータルの治療期間は、一段階治療と比較して、どのくらいですか?

DR. PHIPPS

私は、非常に重度の患者だけを治療しているだけなので、平均的なトータルの治療期間は32-40ヶ月で、一段階治療では28-36ヶ月です。

DR. SARVER

第一期治療の平均的な治療期間は、通常、9-12ヶ月で、第二期治療はほぼ12-18ヶ月です。二段階に分けなければ、平均的な治療期間は約27ヶ月です。

DR. BRAZONES

私は、第一期治療は12ヶ月に、第二期治療は18-24ヶ月に治療期間を限定しようと努めている。ヘッドギアを良く使用してくれるのは、最初の12ヶ月です。第二期治療の期間がそんなに短くならないことを、私は知っている。私は、今、二段階治療を少なくしつつある。

DR. MALERMAN

私の二段階治療のトータルの治療期間は、一段階治療とほぼ同じです。その差は、治療を二段階に分けた時、患者によっては装置による治療はより簡単になる。加えて、一段階治療ではブラケット治療の期間が少なくなり、破損が少なくなり、患者の協力の問題も少なくなる。

DR. MOSKOWITZ

二つの治療の間の期間を含めれば、二段階治療は一般的に長くなる。我々は、第一段階治療と第二期治療のセットから離れようと試みている。このセットは、臨床マネージメント上、我々が考えているよりも多くの問題を生じていると、私は考えている。親と患者は、このセットを喜んでいないし、なぜ矯正医が治療を二段階に分けているのかを理解していない。この不理解が親と患者に不満足と嫌悪を生む。第一段階と第二段階のセットは、これをなくすことは出来なくとも減少するべきであると考えている矯正医の意識の中にある人工的な産物である。その利点は、患者に、親に、歯科医に、理由もなく誇張されてきた。事実、治療が全体の治療過程として計画されたのなら、違いはない。

この状況を打破するもっと優れた方法は、多くの異なる要因によっては、治療は4年またはそれ以上かかることを親に説明することだ。それらの要因とは、乳歯の脱落とその下にある永久歯の萌出の度合い、歯と顔面の成長の大きさと方向、治療に対する個々の患者の反応性である。永久歯の抜歯の必要性や上顎犬歯の開窓なども説明される。永久歯を抜かなくても良いだろうなどの二段階治療の利点を誇張すると、時々、矯正医はコーナーに追い込まれ、必要な治療途中の治療計画の変更が出来なくなる。

89ページ

DR. GOTTLIEB

第一段階と第二段階の間の期間に、どのような装置を使用しますか?

DR. BRAZONES

私は、通常、下顎に接着型の舌側ワイヤーと、上顎に両側切歯間に唇側線のあるHawleyを使用する。第一段階の治療結果を維持するのは、上下顎の切歯が歯槽頂を越えて移動しない限り、非常に簡単だ。

DR. MALERMAN

骨格性のものは、しばしば、矯正終了後6-9ヶ月間、安定化させる。前述の見解から、保定は必要ないかもしれない。歯性のものは、可徹式and/or固定式のリテーナーを要するかもしれない。

DR. MOSKOWITZ

使うべき短期の装置(interim appliance)は、解決した問題の内容に依存するだろう。もしオーバージェットとClass IIの顎関係が第一段階で治療されたのなら、ヘッドギアも含めて、積極的な短期の装置を私は考えるだろう。左右的な問題なら、固定式の口蓋装置または可徹式の"stay plate"を要するかもしれない。下顎のリンガルアーチは、下顎切歯が動かされた症例では、適切かもしれない。

DR. SARVER

私は、通常、従来のHawleyリテーナーを使用する。

DR. PHIPPS

私は、上顎にHawley、下顎に固定式のリンガルアーチを使用する。

DR. GOTTLIEB

第二期治療を開始するシグナルは何ですか?

DR. MALERMAN

我々は、第二乳臼歯が脱落する直前に第二期治療を開始したい。この時点で、最終的な第二期治療の計画を立てる前に、再評価する。第二乳臼歯が脱落する前に治療を始めることによって、リーウエイスペース(leeway space)を利用でき、ボーダーラインケースを非抜歯に出来ることもしばしばである。

DR. GOTTLIEB

二段階治療で、トータルの治療費を請求しますか、それとも別々に請求しますか?

DR. MALERMAN

我々は、別々に請求します。第一期治療の治療費は、必要な治療内容によって、数百ドルから2,000ドルぐらいです。乳歯が一般歯科医で抜歯され、保隙装置を我々が作製すると、最小の治療費となるだろう。Class IIIの骨格性ディスクレパンシィを少なくするためにreverse-pull headgearで上顎と下顎を拡大した場合、多くの装置が必要になり、最も高額な第一期治療の費用となるだろう。第二期治療の費用は、予想される治療期間と歯並びの状態によって決定される。治療期間が長いほど、重度の症例ほど、高額になる。

DR. PHIPPS

私は、別々に請求します。二段階治療のトータルの費用は、一段階治療のみより1,300ドルほど高額である。通常の第二期治療の治療費から1,000ドルほど差し引いて請求する。しかしながら、私は、二段階治療を薦めなくなりつつある。なぜならば、患者にとっても矯正医にとってもコスト面で効率的でないからだ。

90ページ

DR. SARVER

我々は、別々に2回、請求する。第一期治療の費用は、一般的に、第二期治療を前提として計算しない。第一期治療と第二期治療の間に、あまりに多くのことが起こりうる。たとえば、患者が引越したり、患者が矯正医をかえたり、患者が第二期治療を受けたくないと思ったりする。

DR. BRAZONES

私も、それぞれ別々に請求する。私は、第一期治療で協力が良ければ、通常、第二期治療でディスカウントする。子供も親も治療に疲れ、なせ第二期治療が必要なのかわからなくなるので、第一期治療をしなくなりつつある。第一期治療による審美的な結果は極めて良好であり、それを親が見るのである。永久歯が萠出した後、良好な機能を得るために第二期治療をすると、私は考えているのだが、笑顔が良好なようなら、第二期治療を開始したがらない。

DR. MOSKOWITZ

第一期治療と第二期治療の費用を別々に請求するのを、どんどん、止めようとしているところです。私は、これらを長期の全体的な治療が必要な症例として説明し、それに従って、費用設定しようと試みている。それが不可能な時には、依然として第一期治療と第二期治療を別々に請求する。このような症例は、我々のところでは、最も高額になる。第一期治療と第二期治療のトータルが一つの全体的な治療と同額であることに賛同できないし、第二期治療の費用からディスカウントすることにも賛同できない。私の主治医が、私が2年前に受けた検査結果を信頼できるものとして、私に説明することはない。

(TO BE CONTINUED)

REFERENCES

1. Williams, M.D.; Sarver, D.M.; Sadowsky, P.L.; and Bradley, E.: Combined rapid maxillary expansion and protraction facemasd in the treatment of Classs III malocclusions in growing children: A prospective long-term study, semin. 3:65-274, 1997.

2. Koroluk, L.D.; Tulloch, J.F.C.; and Phillips, C.: Incisor trauma and early treatment for Classs II division 1 malocclusion, Am J. Orthod. 23:117-126, 2003.

以上、私が全訳しました。

Early Orthodontic Treatment, Part 2--J.Clin.Orthod.39:135-154,2004

以下、私が全訳しました。

DR. GOTTLIEB

Class I叢生症例で、連続抜去の判断基準は何ですか?

DR. MOSKOWITZ

我々の判断基準は、叢生の度合いだけではない。7mmまたはそれ以上の著しい叢生、それなりの幅の歯列、前突している上下の切歯、口唇閉鎖時の口唇の緊張、アベレージアングルないしハイアングルの骨格パターン、切歯の後退が好ましい側貌、これらが連続抜去の理想的な適応症だ。

DR. PHIPPS

私が連続抜去するのは、7mmまたはそれ以上の重度の叢生、または垂直的な顔面成長パターンがなければらない。

DR. BRAZONES

連続抜去のための叢生の判断基準は少なくとも4mm、そして埋伏している第二大臼歯である。顔面の審美性、軟組織の緊張、骨格の成長パターン、歯の生えかわりの状態、前歯の傾斜度、第二大臼歯の位置です。私は、永久歯の抜歯に先立って、大臼歯が本当にClass Iであり下顎のシフトがないことを確認するために、咬合器に模型を装着する。

DR. MALERMAN

我々は、Class I大臼歯関係、Class I骨格関係、小さいオーバーバイト/オーバージェット、側貌、上下顎に6mm又はそれ以上の叢生のある症例に、従来から行われている連続抜去を施す。

DR. GOTTLIEB

連続抜去の際に、どのような手順をとりますか?

DR. MALERMAN

このような患者では、下顎永久側切歯の萌出と同時に又はそれよりも遅くない時期に、乳犬歯を抜歯しなければならない。こうすれば、切歯部の叢生が臼歯部に分散されるにつれて、永久切歯が自然と並んでくる。そのかわり、こうすると、永久犬歯の萌出を遅らせる。永久側切歯が並ぶまでに、患者が治療に来院しなければ、永久犬歯の萌出を遅らせることは出来ない。これは、女子は7歳よりも遅くない時期に、男子は8歳よりも遅くない時期に連続抜去を始めなければならないことを意味する。

連続抜去の次の段階は、第一小臼歯の萌出を促進することだ。第一小臼歯の歯根が1/2から3/4ほど形成され咬頭が歯槽骨を抜け出した時に、第一乳臼歯を抜歯すると、第一小臼歯の萌出が促進される。第一小臼歯が萌出したら直ぐに抜歯し、同時に、残っている第二乳臼歯も抜歯する。こうすることによって、第一小臼歯のスペースを埋めながら、永久犬歯は遠心に、第二小臼歯は近心に萌出する。

136ページ

DR. MOSKOWITZ

乳犬歯を抜歯し、それから第一乳臼歯を抜歯すれば、切歯が直ぐに並びやすくなり、永久犬歯よりも第一小臼歯の方が早く萌出しやすい。固定式装置を始める前に切歯が舌側に行き過ぎるのを防止する(over-lingualization)ために、幾つかの症例では、リンガルアーチの使用が重要である。もし、重度の捻転や大きな叢生があれば、私は、上下の切歯を配列するために、固定式装置を短期間だけ使用するのを躊躇しない。これは、時々、有益である。永久犬歯の萌出と第一小臼歯の抜歯した後、一般的な固定式装置が用いられる。

DR. PHIPPS

第一小臼歯の歯根が50%にまで発達したら、私は第一乳臼歯を抜歯する。第一小臼歯は、萌出した時に抜歯するか、又は、埋伏していたり犬歯がすでに萌出しているなら、外科的に処置する。私は、固定式装置による治療は、第二大臼歯が萌出するまで、待つ。

DR. BRAZONES

もし犬歯の萌出が始まっているのなら、これは、上顎よりも下顎で起こりやすいだろう。それから、検査をし、抜歯の治療計画を立てる。もし永久歯の抜歯が必要なのが確かであれば、第一乳臼歯と第一小臼歯をすべて同時に抜歯してもらうだろう。こうすれば、1度の手順で済むので、子供にも受け入れられるだろう。口腔外科医は鎮静薬を使用し、この手順の記憶も最小となるだろう。私は、完全に永久歯列になるまで、どんな治療も開始しない。

Dr. SARVER

我々は、時折、連続抜歯をするが、そんなに頻繁ではない。叢生だけが歯を抜歯するかどうかの指標となるものではない。その他の要因は、側貌や切歯の傾斜度などである。私が連続抜歯をする理想的な症例は、側貌が正常か僅かに前突している場合だ。正常な側貌なら、実際に1対1になるのに十分なだけの(enough for a virtual one-for-one exchange)叢生があるのが望ましい。スマイルがはっきり見えるようするために前方への拡大が望ましい場合には、スマイルの横への広がりも判断基準の一つとなる。

DR GOTTLIEB

leeway spaceを維持するために、なんらかの処置をしますか?

DR BRAZONES

多くの患者で第二大臼歯の萌出余地が十分にないと私が認識するまでは、そうしていました。私は小臼歯の抜歯を避けようと治療していたのですが、結局、第二大臼歯を埋伏させていました。小臼歯の抜歯を避けることよりも、第二大臼歯の方がより大切であると決めました。

137ページ

DR MALERMAN

もし全体の歯列長の不足はleeway spaceのロスを防ぐことによって最小にできるのなら、その方法として、autokinesisが起こるように乳犬歯がしばしば抜歯され、そして同時にleeway spaceのロスを防ぐために下顎リンガルアーチが用いられる。ちょうど第二乳臼歯が脱落しようとし始めたときから治療を始める。そうすれば、大臼歯が第二小臼歯に接触しようとして近心移動するのが防止でき、第二小臼歯を大臼歯の方へ移動できうる。

DR MOSKOWITZ

ある症例では、leeway spaceの維持が絶対に必要だ。しばしば、全体の矯正治療過程の一部分としての小臼歯の抜歯の決定は、下顎歯列の状態による。スピーカーブや下顎切歯の位置が重要であり、側貌の突出の改善の必要性も重要だ。側貌を改善する必要がないと仮定すれば、抜歯するかどうかのボーダーラインケースの多くは、"E" spaceを維持することだけで、非抜歯症例にできる。しばしば、この"E" spaceは、大きい--片側で2mmまたはそれ以上だ(図2: 下顎第二乳臼歯を保存しすぎると、下顎第二乳臼歯が脱落する時に、通常でないleeway spaceの量を見ることになる)。

必要ならば、我々は、パッシブな下顎リンガルアーチを用いる。我々は、下顎第二乳臼歯と下顎第二小臼歯の幅径の差を利用する。もっとスペースが必要ならば、リップバンパーの使用によって、下顎大臼歯の直立と下顎切歯の前方移動を伴って、スペースが得られる。Gianellyは、leeway spaceの維持について、プロトコールとその原理を述べている(文献3)。基本的に、我々のプロトコールも同様なものだ。

DR. SARVER

leeway spaceを有効利用するために、我々は、リンガルアーチや、患者が非常に協力的なら可徹式装置を用いる。

DR. PHIPPS

私は、固定式保隙装置、上顎ナンス装置、下顎リンガルアーチを使用する。

DR. GOTTLIEB

leeway spaceを維持することによって、Class II不正咬合を引き起こしますか?

DR. BRAZONES

幾つかの症例では、そうです。それは、第一大臼歯をleeway spaceに向かって近心に移動させないことによって。

DR. PHIPPS

特に下顎リンガルアーチだけを使用した時に、しばしば起こる。

DR. SARVER

leeway spaceの維持はClass II大臼歯関係と関係する。なぜならば、下顎大臼歯の前方移動がClass II関係を治す要因の一つだからだ。

DR. GOTTLIEB

そんなことが起こったら、どうしますか?

DR. PHIPPS

私は、上顎大臼歯の遠心移動装置の使用や、抜歯を考える。

DR. SARVER

leeway spaceがClass II大臼歯関係を引き起こしたなら、大臼歯が遠心移動されるか、それとも成長コントロールを試みる矯正治療が行われる。

DR. MOSKOWITZ

もし私がこのことを心配するときには、上顎大臼歯の位置を何とかしようとするだろう。上顎2X4アーチが遠心移動させるのに効果的であり、少なくとも上顎第二乳臼歯が脱落した後の上顎大臼歯の近心移動を食い止める。この大臼歯の移動は、いわゆる、"plaster concept"だ。なぜならば、上顎と下顎の差動成長の要因が最終的な大臼歯関係に関与するからだ。この状況に対処する他の方法がある。それは、上顎歯列をどうするかによるのだが。

138ページ

DR. MALERMAN

既に述べたように、私は、下顎第二乳臼歯が脱落する前に、第二段階治療を始めることによって対処する。その時期において、上顎第二乳臼歯は、存在すべきだ。大臼歯はend-onの関係(an end-on buccla relation)であるかもしれない。これは、Class I関係になるように上顎大臼歯を遠心に押しやるのを容易にする。

DR. BRAZONES

私は、初期に的確に診断することを学んだ。そして、私は、今では、もし第二大臼歯に十分なスペースがなさそうならば、乳臼歯抜歯と小臼歯抜歯を選択することが多くなった。

DR. GOTTLIEB もし乳臼歯が早期喪失し混合歯列期において第一大臼歯が近心移動したならば、第一期治療でそのスペースを回復させますか?

DR. MALERMAN

患者が最初に治療に来院した時に、すべての永久歯の萌出余地があるかどうかについて、適切な診断と治療計画が示されるべきだ。そうでなければ、将来的に抜歯されるとスペースを閉じなければならなくなる症例なのに、スペースを回復するのは無意味だ。もし非抜歯で治療できそうなら、または、抜歯症例を非抜歯治療に変更できそうなら、我々は、スペースを回復する。これは混合歯列期の出来るだけ早い時期に行い、そして、そのスペースは上顎ナンスホールディングアーチ、または、下顎リンガルアーチで維持される。

DR. MOSKOWITZ

スペースを早期に回復させる判断基準の一つは、そうしなかった時に起こりうる結果をどう考えるかだ。まさにこの時期に治療しないと、永久歯列期にいくつかの治療手順が必要となりそうであり、そして、生えかわりの時期に第二小臼歯が正常でない位置に萌出してしまうかもしれない。

適切なスペースを回復するには、通常、決まりきった方法がある。私は、上顎第二小臼歯のためのスペースを回復するために、固定式装置を使用するのが好きだ。セクショナルは、うまく作用する。リンガルアーチ、パラタルボタン、従来からある保隙装置も、上顎第二小臼歯の萌出を待っている間、上顎大臼歯の位置を遠心に留まらせる。

DR. BRAZONES

もし叢生が重度でなく、歯列にすべての歯が並びきれ、そして、第二大臼歯がいい位置にあれば、私は、スペースを回復させ、大臼歯の捻転を治す。私は、保隙装置かナンスでこれを維持する。

DR. GOTTLIEB

もし乳歯を保存しすぎて永久歯の萌出が遅れてしまったなら、どの時点で介入しますか?

DR. MALERMAN

保存しすぎた乳歯は、保存しすぎたと気が付いた時点で抜歯すべきだ。なぜならば、その乳歯が永久歯の萌出の妨げになるからだ。邪魔になっている乳歯を抜歯すれば、後継永久歯の萌出は促進され、問題は減少する。もし乳歯が抜歯されなければならないなら、保隙装置が必要かどうかを決定する。もし後継永久歯が6ヶ月以内に萌出しそうで、この間にleeway spaceが失われそうでなければ、保隙装置は必要でない。もし後継永久歯の萌出まで6ヶ月以上要するなら、または、leeway spaceが失われそうなら、保隙装置が用いられるだろう。

139ページ

DR. MOSKOWITZ

乳歯が残存しすぎて後継永久歯の萌出に影響がありそうだと気づいた時点で、親と相談し、彼らが問題の乳歯の抜歯に同意してくれることを望む。時として、下顎第二乳臼歯の根が長く湾曲しているの見つけることがある。そうなっていると、歯槽骨の中で下顎第二小臼歯を異所萌出しやすい(図3:第二乳臼歯の長い湾曲した歯根が吸収されないために、下顎左右の第二小臼歯が異所萌出しつつある。このような乳歯は早期に抜歯されるべきである)。このような乳歯は厳密には残存しすぎであると言えないかもしれないが、残存しているように振舞っているし、出来るだけ早期に抜歯されるべきだ。

DR. PHIPPS

永久歯の歯根が50%以上形成されているか、あるいは永久歯が異所的に萌出しつつあるときには、乳歯を抜歯したい。

DR. BRAZONES

私は、歯根尖のデンタルかパノラマを半年毎に撮影し、乳歯歯根の吸収と永久歯歯根の発達状況をモニターする。垂直的な歯槽の成長が良好で、かつ対合歯の咬合が保たれていれば、私は、なにもしない。隣在歯のところで咬合がオープンになりつつあるなら、私は、乳歯を抜いてもらう。言い換えれば、残存歯のあたりで咬合平面が変化し始めたら、私は、その歯を抜歯してもらう。永久歯が変な方向に萌出しつつあるなら、その歯根が正常に形成されつつあっても、私は、すぐに乳歯を抜いてもらうだろう。

DR. SARVER

残存しすぎた乳歯がアンキローシスを起こしていたり歯槽に変形を与えているなら、我々は、その乳歯を処置する。たとえば、もしその家族の社会的意識が高く高校が始まるまでに装置を付けて外したいなら、その乳歯の抜歯は必須ではないかもしれなく且つ単に選択するかどうかの問題であるという了解の下に、抜歯を考えるだろう。

DR. GOTTLIEB

混合歯列期においてスペースを得るために、側方拡大装置を使用しますか?

DR. SARVER

我々は、上顎を拡大し、そして下顎側方歯部が自律的にアップライトするのを待つ。我々は、下顎の拡大を滅多にしない。

DR. MALERMAN

私は、Class I不正咬合で6mm以下の叢生なら、側方拡大を考える。このような患者の多くは、上顎が狭窄しており、下顎第一大臼歯が大きく舌側に傾斜している--Wilsonカーブが大きい。下顎臼歯をアップライトし上顎を拡大すると、永久歯が十分に萌出できる歯列長が得られる。我々は、叢生があるからといって、むやみに、そうするのではない。もし全ての永久歯が良い位置に生え揃うように歯列の形を整えられるなら、すなわち、基底骨に維持され、下顎平面に対して下顎切歯が直角であり、犬歯間距離を変えずに済むなら、我々は、側方拡大をするだろう。

DR. MOSKOWITZ

私の診療所では、よく上顎拡大装置を用いる。多くの不正咬合には、上顎幅径の変形や不調和がある。上顎拡大は、側方的な問題がありアーチレングス不足がある多くの不正咬合の総合的な治療の中で、一つの重要な要素となる。それは、我々ができるオルソペディックな移動の一例である。臨床医は、なぜ上顎拡大装置を用いるのかについて明瞭にすべきであり、上顎拡大が著しい叢生の特効薬であるという考えに疑いを持つべきだ。

140ページ

DR. BRAZONES

私は、スペースを作るためだけに側方拡大をしない。側方的な不足がある症例での早期治療の私の治療目標は、適切なオーバーバイトとオーバージェットを持つように上下切歯を配列することと、正中を合わせることだ。私は、もし上顎大臼歯幅径が小さければ、--舌側咬頭から舌側咬頭の距離が36mm以下なら、側方拡大する。それから上顎永久犬歯の位置をモニターし、それらが近心に傾斜しているなら乳犬歯を抜いてもらう。第一段階治療の保定中に上下歯列の叢生をもモニターし、永久歯の萌出の助けとなるように乳臼歯の計画的な抜歯を計画する。必要なスペースを計算するために、上顎犬歯の萌出前に、それから下顎第二小臼歯が萌出前にセファロを撮影する。そして、永久歯の抜歯を計画したり、自然の萌出に任せたりする。もし乳臼歯だけがクロスバイトで6歳臼歯が正常なら、私は拡大しない。通常、小臼歯は、乳臼歯よりも外側に萌出する。

私は、下顎歯のアップライトはするが、下顎歯列弓の側方拡大はしない。下顎乳臼歯が舌側に傾斜していれば、それらをアップライトするだろうが、下顎歯が正常な幅を越えて拡大されたなら下顎歯槽幅は安定しない。

DR. GOTTLIEB

そのような治療は、何歳ぐらいから始めるのですか?

DR. BRAZONES

私は、下顎切歯が完全に萌出する前で上顎中切歯が萌出した後に、患者を診査したい。通常、上顎側切歯は叢生を起こし、犬歯は近心に傾斜し始める。私の原則は、混合歯列期晩期の開始前に側方的な咬合を正常化させる努力をすることであり、そうすれば、小臼歯と犬歯の萌出経路は下顎歯列と良く揃ってくるし、上顎切歯は正常なオーバーバイトとオーバージェット関係になるように揃ってくる。私は、臼歯を、拡大された位置であるよりも正常な位置に持ってくるようにしている。

DR. PHIPPS

私は、混合歯列期で側方拡大を滅多にしません。アーチレングスとして実際に得られるものよりも、より大きな拡大となる。著しい叢生があれば、滅多にしない。

DR. GOTTLIEB

側方拡大に、どのような装置を用いますか?

DR. BRAZONES

私は、急速拡大装置を使うか、拡大と回転ができるトランスパラタルアーチを使う。私は、上顎に可徹式装置を用いていたが、患者の協力が問題となる。子供は置き忘れて失くすことが多いし、捨てるし、犬が持っていってしまう。私は、装置が必要な時期にコントロールができる固定式装置が好きだ。それは治療回数もメインテナンスも少なくて済む。もし上顎第一大臼歯が下顎第一大臼歯と良好に噛み合っているが、乳臼歯や乳犬歯がクロスバイトなら、私は、前歯部の拡大装置を用いるかもしれない。

DR. MALERMAN

私は、上顎歯列にHaas applianceをよく使う。下顎では、下顎平面角、叢生の量、叢生の部位によって、色々な拡大装置が色々な問題に対処される。切歯が舌側に傾斜しているなら、高めにしたリップバンパーが切歯を前方に傾斜させるだろう。切歯が良い位置にあり小臼歯部を拡大したいのなら、低めで小臼歯部が拡大されたリップバンパーが選択されるかもしれない。下顎リップバンパーを使い過ぎないように注意が必要だ。使いすぎると、第一大臼歯が第二大臼歯の萌出位置へ向かって遠心移動し、埋伏させるかもしれない。

下顎切歯部を徐々にdistractするために最も頻繁に用いられる装置は、Schwarz plateだ。もし患者が可徹式のSchwarz plateを継続して使用しないだろうなと私が思えば、下顎歯列の形状を変えるために半可徹式のリップバンパーを使うだろう。時々、大臼歯部にpin-and-tube attachmentsの付いた下顎リンガルアーチを使用するだろう。このリンガルアーチに、矢状的および左右的に調整するために小臼歯部にバーティカルループも付けるだろう。

141ページ

DR. MOSKOWITZ

私は、左右的な問題に対処するために上顎にHyrax拡大装置を、舌側に傾斜していることの多い下顎臼歯部をアップライトするために混合歯列期に下顎にSchwarz applianceを使うことが多い。時々、固定式の口蓋拡大装置を用いる。

DR. SARVER

私は、通常、急速口蓋拡大装置(RPE)を使う。その理由は、弱い力で拡大する方法に比べ、RPEは頬側に歯が傾斜しにくい傾向にある。更に、より多くのアーチレングスが得られるし、RPEは、好ましい骨の反応があるからだ。

DR. PHIPPS

私は、上顎に固定式の口蓋拡大装置を用いる。低年齢患者に使用すれば、固定式拡大装置はオーソペディックであり、より安定している傾向にある。可徹式装置は、歯を頬側に傾斜させる傾向にあるし、リラプスが大きいようだ。

DR. GOTTLIEB

上下顎を同時に拡大するのですか?

DR. MALERMAN

上下歯列は、同時に拡大される。上顎が拡大するにつれて頬筋群が再配置され、それを埋めるように下顎歯が拡大される。

DR. BRAZENS

私は、上下顎を同時に治療するが、下顎は拡大しない。私は、下顎切歯をより理想的な傾斜度にしAP面に対してより理想的な位置に並べる。始める場所を知るのは容易だが、もし上下顎を同時に拡大すると終了する場所を知るのは困難だ。

DR. MOSKOWITZ

急速であれ緩速であれ、上顎拡大は、下顎臼歯のアップライティングと同時にすることが多い。私は、片顎ずつ拡大することが多い。

DR. GOTTLIEB

上顎で急速拡大の代わりに緩速拡大を好みますか?

DR. BRAZONES

私は、成長期において、緩速拡大する理由が思いつかない。急速拡大は、ほとんど不快感なしに作用する。それは、両親にも患者にも受け入れられる。急速拡大で治療は素早く進み、患者は必要以上に長期間にわたって装着していようとは思わない。

DR. MALERMAN

ハイアングルケースで狭窄歯列のある患者では、下顎の時計回りの回転を避けるために、緩徐に拡大する。

DR. MOSKOWITZ

ここ数年、私は、緩徐な拡大を行ってきた。その結果、急速拡大のようなドラマティックな効果ないが、RPEと同様な成果が得られるようだ。

DR. PHIPPS

私は、私が急速拡大だと考えている方法で上顎を拡大する。すなわち、スクリューを1日に1度、回転させ、日に約1/4mm拡大する。拡大する他の方法は、アーチワイヤーの交換時に、アーチフォームを変形させ拡大することだ。

DR. SARVER

私は、RPEを好んでいる。私は、私が行った多くのRPEに関する研究に影響されている。私は、緩速拡大を行ったことがほとんどなく、私の治療手段の中には含まれていない。

142ページ

DR. GOTTLIEB

スペースを獲得して将来の抜歯を避けるために混合歯列期に拡大が行われたとき、永久歯列期で抜歯したときと同様に治療結果は安定していますか?

DR. BRAZONES

安定していない。以前、私も、そうしていましたが、咬合力や筋力が歯槽骨を越えて歯を押し戻そうとするにつれて、リラプスすることがわかった。永久歯の抜歯を避ける目的で混合歯列期に拡大することを、もはや私はしない。私は、上顎歯列を正常な歯列幅にするために拡大する。もし全ての歯が抜歯しなくても歯槽骨上に並び、第二大臼歯の萌出余地があり、軟組織と顔面審美性を妥協しなくてもよいなら、目的は達成されたといえる。以前、小臼歯を抜歯しなくても済むように歯列拡大をしていたが、治療結果は安定せず叢生が戻ってきた。そして、第二大臼歯の十分な萌出余地がなくて、第二段階治療において第二大臼歯を萌出させるために抜歯が必要となった。もし拡大する目的が永久歯を抜歯しないことであったのに、第二期治療で抜歯してしまったのなら、第一期治療は時間の無駄となってしまっていた。矯正医として、診断と治療計画が予測可能な結果を生むように、歯列周長と歯の大きさを算定できる能力が、我々にはあるべきだ。

DR. MALERMAN

もし歯列の形態を変えることが出来て、基底骨のサポートを越えて拡大しないで歯と歯槽のハウジング(teeth and alveolar housing)の拡大ができるのなら、抜歯症例と同様に治療予後ほ安定している。もし歯列が基底骨サポートを越えて拡大されたのなら、キャンティレバー(cantilever)が生じ、安定性が失われる。

DR. MOSKOWITZ

私は、永久歯の非抜歯を治療目標とはしない。私の同僚と同様に、審美性、機能、安定性が我々の診療室での最も重要な治療目標だ。もし永久歯の抜歯なしにこの三つの目標が達成できれば、それが好ましいが、非抜歯自体が目標ではない。多くの症例では、拡大して歯列上に歯を並べることは可能だ。しかし、どの患者にもそうすべきだということではない。限界があり、それが機能、安定性、審美にマイナスとならないかどうかである。永久歯を抜くべきか抜かないべきかの決定の際には、側貌、個々の歯の左右的前後的な位置、成長ベクトルが重要な役割を演じる。非抜歯は患者にとって魅力的だし、患者を紹介してくれる一般歯科医にもアピールできるが、矯正医が、「もし早期に治療開始し歯列を拡大したなら、永久歯の抜歯は必要でなくなるでしょう」と患者にいうのは注少し意すべきだ。通常、混合歯列期で、この決定をするのは、正確であるはずがない。軽度から中等度の叢生がある症例では、混合歯列期で小臼歯の抜歯の利点について決定するのは時として非常に困難だ。

DR. GOTTLIEB

上下顎前突症例を早期治療しますか?

DR. MOSKOWITZ

もし叢生がなく、切歯が前突しているだけで、歯の発育異常やオーバージェットを考えなくてもよいなら、早期に治療する利点はほとんどないかもしれない。通常、第一小臼歯抜歯症例となり、早期治療を要する他の必要性のある理由がなければ、私は治療開始を待つ。

DR. MALERMAN

私は、上下顎前突を、前歯が前方に傾斜しアップライトと叢生がなく配列しているClass I叢生不正咬合のようなものだと考えている。このような患者では、切歯をアップライティングしリトラクションするために、小臼歯の抜歯が適しており、そうすれば基底骨との関係が適切になる。混合歯列期後期から永久歯列早期で最もうまくいく。

DR. PHIPPS

私は、しばしば、著しい叢生が上下顎前突を伴っている時には、8-10歳で連続抜歯を開始する。ゴールは、前突を少なくし、リトラクションの必要性を少なくすることだ。

143ページ

DR. BRAZONES

もし上下顎前突に中等度から重度の叢生があれば、私は、歯の大きさと歯列の大きさの不調和に注目し、萌出時期にアンカレッジコントロールしながら連続抜歯を手段を計画するかもしれない。ほとんどの上下顎前突症例は、永久歯列が完成した後に治療するのがベストだ。

DR. SAVER

我々は、上下顎前突を早期に治療することはしない。その理由は、フルアンカレッジと抜歯が選択されると思われるので、第二大臼歯がアンカレッジに組み込まれるべきだ。

DR. GOTTLIEB

両側性の臼歯のクロスバイトは早期に治療しますか?

DR. MALERMAN

両側性の臼歯部クロスバイトは、出来るだけ早期に治療される。ほとんどの場合、このような患者では、下顎と比較して狭窄している上顎を持っている。結果として、後継歯には、萌出するのに十分な余地がない。そのため、上顎犬歯と上顎第二小臼歯が変な位置に萌出することがしばしばである。

側方的な骨格性の問題を解決するためにHaas applianceを使う。拡大が終了した後、骨が再生されるまで3ヶ月間、その装置はそのままにしておく。3ヶ月後に、装置は撤去され、可徹性のpalatal stentが次の3ヶ月間、フルタイムで、骨が成熟するように、使われる。次の6ヶ月間、夜だけ、その装置を使い、それから、ブラケットが付けることが出来る年齢に達するまで、保定装置は使わない。

DR. BRAZONES

私は、第一大臼歯が萌出したら直ぐに、両側性の臼歯クロスバイトを治療する。上顎歯列を自然に発達成長させるために、そして上下の第一大臼歯の機能を正常にするために、咬合をアンロックする。

DR. PHIPPS

私は、両側性のクロスバイトを早期に治療する--7-9歳頃--なぜならば、この年齢での骨縫合部での拡大が最も効果的で最も安定しているからだ。

DR. SARVER

私たちは、両側性クロスバイトを発見すれば直ぐに治療する。なぜならば、クロスバイトが、成人での顎関節症と関係していそうな要因であるからだ。

DR. MOSKOWITZ

両側性の臼歯クロスバイトに、それ以外の矯正学的な問題がなければ、いろいろな考え方がある。臼歯の過度の磨耗、下顎のシフト、オーバージェット、TMD症候群のような併発要因がなければ、早期治療に何の利点があるだろうか?

DR. GOTTLIEB

真性片側性臼歯部クロスバイトと、単なる下顎のシフトのある軽度の両側性クロスバイトを区別していますか?

DR. BRAZONES

私は、歯列模型をCRで咬合器にマウントして、診断時にその区別をするようにしている。私は、また、TMJの徴候や症候を診査する。咬合面と上顎歯列の側方的な大きさを参考にして、乳犬歯の抜歯や削合によって機能的シフトがなくなるかどうかを決定するだろう。私は、通常、機能的シフトのある側方的な幅の不調和を発見し、そして、RPEと2X4で治療する。

シフトのない真性の片側性クロスバイトは、通常、非対称的な下顎を伴い、そして、下顎の垂直的成長は、通常、顔面の片方だけが足りない。これは、側方、正面セファロで確認できる。私は、これも同様に、RPEを使いアンロックする。なぜならば、私は、クロスバイトが骨格性要素を引き起こしたのか、それとも、骨格性の非対称性がクロスバイトを引き起こしたのかがわからないからだ。もし拡大後に下顎が真ん中に来なければ、そのクロスバイトは下顎の非対称によるものだ。それでも、私は、上顎咬合平面を正常化しようと試みる。そうすれば、上下歯列は、非対称的に成長し続けないだろう。

144ページ

DR. MALERMAN

機能的シフトのある片側性クロスバイトは、非常によくあることだ。それらは、多くの場合、中心位で両側性の臼歯部クロスバイトがあり、最大かん合位では下顎が片方へシフトする。それらは、両側性の臼歯部クロスバイトで、完全な両側性クロスバイトより軽症だ。治療は、まさに、同じだ。

真性の片側性クロスバイトでも、下顎が真ん中にあり、上顎が非対称であり、上顎の片側の歯列が舌側に傾斜しているような症例は、比較的にまれだ。我々は、このような不正咬合では出来るだけ早期にクロスバイトを治し、継続歯が良い位置に萌出するようにする。こうするのに、非対称な1/4顎の歯を傾斜させ、対称的な関係になるように設計された装置が用いられる。

DR. MOSKOWITZ

真性の臼歯部クロスバイトは、機能的なシフトなしに歯列の片側にクロスバイトがある。片側性の機能的臼歯部クロスバイトには、閉口時に下顎のシフトが僅かに、または明瞭にある。そのシフトは、ほとんどいつも、中心咬合位で片側性の臼歯部クロスバイトになる方向に起こる。上下歯列の正中は一致せず、下顎歯列の正中はシフトする側にずれている(図4: A. 真性の機能的なクロスバイト。下顎は左側のシフトし、クロスバイトがある。両側性の拡大が必要だ。B. 顔面の非対称が左側への下顎の機能的なシフトを示している)。

DR. GOTTLIEB

片側性の臼歯部クロスバイトを早期に治療しますか?

DR. MOSKOWITZ

両側性の臼歯部クロスバイトがある時、真性の臼歯部クロスバイトには、いろいろな治療が考えられると私は信じており、発見されると直ぐにそれを急いで治療すべきかどうか、私にはよくわからない。しかしながら、片側性の機能的な臼歯部クロスバイトは、遅めより早めに治療すべきだ。そのような状態が非対称性に個体を成長させる。臨床的な所見は、研究によって証明されている。Pinto等は、片側性の臼歯部クロスバイトと機能的シフトのある複数の小児症例で下顎に位置的変化が生じると同様に、形態的変化があったと報告した(文献4)。Sonnesen, Bakke, and Solowは、咬合力とTMDの徴候は機能的クロスバイトのある患者群では統計学的に異なっていたことを示した(文献5)。これが、我々、矯正医であり顎顔面整形医として、形態と機能を回復させるのに、重要な役割を担っているという一例であると、私は信じている。このような症例を遅めでなく早めに治療しなかったら、下顎の非対称性と他の問題を、将来、生じさせるかもしれない。

145ページ

DR. BRAZONES

私は、第一段階治療を開始するに先立って、必ず資料採得する。診断が治療を決定し、治療目標が治療のタイミングを決定する。

DR. PHIPPS

片側性のクロスバイトと機能的シフトのある成長期の患者は、下顎が非対称的に成長する危険性がある。このような症例では、早期治療が重要であると、私も考えている。

DR. GOTTLIEB

どのように治療するのですか?

DR. PHIPPS

真性片側性クロスバイトには、予定した部位に矯正力を働かせるために、、片側性の力、すなわち、クロスバイトエラスティックスが必要だ。私は、必要なら、固定式の口蓋拡大装置と下顎リンガルアーチとクロスバイトエラスティックスを使う。

DR. MOSKOWITZ

私は、このような機能的クロスバイトを可徹式と固定式拡大装置で治療してきた。そして、もう一度、言いますが、装置の選択は、個々の患者の必要性に基づくべきである。幸いなことに、機能的クロスバイトの治療は、比較的、短期間で予測可能で再現可能である。興味深いことに、Pinto等は、機能的クロスバイトの治療を受けた患者群のうち全ての患者で良好に反応し、混合歯列期の治療の結果として形態的変化し正常に戻ったと、報告した(文献4)。このタイプの症例では、早期の診断と治療の重要性を強調し過ぎることはない。

DR. SARVER

真性片側性クロスバイトは、機能的シフトというよりも下顎非対称を示していることもあり、これら二つの状況には異なるアプローチが必要だ。私の診療所では、片側性Herbst装置と機能的顎矯正装置が下顎非対称に、一方、急速口蓋拡大が機能的シフトのあるクロスバイトに適用される。

DR. GOTTLIEB

前歯開咬を早期治療しますか?

DR. BRAZONES

診断が、決定要因だ。私が経験を積めば積むほど、私は限界を一層、痛感する。もし前歯開咬に他の不正咬合があれば、私は、骨格性と歯性の要因を評価するために資料採得する。もしClass I不正咬合で、軽度から中等度の叢生があるか、または、空隙と前歯開咬があれば、私は、早期治療を薦めないだろう。もし叢生が重度であるか、または、クロスバイトを伴って側方的ディスクレパンシィまたは空隙があれば、私は、これら全ての状況を治療するために早期治療を薦めるだろう。その治療中に、開咬が治るかもしれない。

もし前歯開咬が異常な舌機能に起因しているなら、通常、上下顎の犬歯と犬歯の間に空隙があるだろう。臼歯部の咬合は、通常、良好だ。舌フェンスが効果があり、そして、舌が一次的な原因であれば、開咬は閉鎖するだろう。もし骨格成長が一次的な原因であり、そして、著しい頭蓋底と下顎の骨格的な不調和があり上下歯列が揃っているならば、私は、永久歯が生え揃うまで何もしない。通常、このような症例では、下顎枝後縁の高さが短く、下顎角が大きい。通常、上顎後縁の垂直的な過成長がある。開咬は改善せず、実に、成長と永久歯の萌出で悪化する。このような症例では、上顎のLe Fort osteotomyをも含めた総合的な治療が必要となる。

146ページ

DR. SARVER

我々は、前歯開咬を早期に治療しない。なぜならば、それらの多くは、文献では85%ぐらいが成長につれて自然に開咬が閉じるからだ。だから、我々は、自然に治るチャンスを与えるのだが、はっきりとしないチャンスではない。

DR. MALERMAN

我々は、症例によっては、前歯開咬を早期治療する。前歯開咬のある年少者の多くは、三つの問題を持っている。第一は、拇指や指を吸う癖だ。この癖を止めさせる努力を始めるのは、4歳よりも遅くないほうが良いだろう。

二番目の問題は、前歯開咬に伴っている舌突出癖だ。もし舌突出癖が二次的なものなら、不正咬合を治せば、通常、舌突出癖もなくなる。たとえば、狭窄した上顎とそれによって起こる舌突出のある若者は、正常な舌機能ができるように上顎が拡げられた時には、前歯開咬は、通常、閉鎖する。しかしながら、少数の患者は、舌突出をもたらす神経筋パターンを持っている。このような極少数の患者は、常に舌を突出させており、治療したとしても、前歯開咬は再発するだろう。残念なことに、一次的な舌突出と二次的なものを見分ける唯一の方法は、その不正咬合を治すことだ。舌突出が消失すれば、多くの場合そうなるのだが、その舌突出は不正咬合による二次的なものだ。もし舌突出が消失せず開咬が再発すれば、その舌突出は一次的なものだったのだ。

前歯部開咬の第三の原因は、上顎切歯部の叢生だ。時々、切歯が文字通り混雑している。もし十分な萌出余地がなければ、時々、前歯部でコンタクトが強すぎて歯が完全に萌出できない。しばしばではないが、時々、起こる。

DR. MOSKOWITZ

前歯部開咬は、常に難しい。前歯部開咬の度合い、骨格パターン、原因は、治療開始時期とその治療手順を術者が決めるに重要な要因となる。逆嚥下パターンまたは幼児性嚥下パターンに起因すると思われる軽度の前歯部開咬は、必ずしも早期に治療する必要はない。このような症例の50%超は、患者が成熟して正常な嚥下パターンになるにつれて、自然と治る。

DR. GOTTLIEB

開咬と舌突出は、どちらが先に起こるのか?

DR. MOSKOWIZ

どちらが先かを決めるのは、難しい。舌位置が他のものより重要であるかもしれない。舌は、行きやすいところへ行くだろう。もし前歯部開咬があると、舌は上下歯の間に入り込むだろう。特に嚥下の時にはそうなるだろう

DR. GOTTLIEB

どのような治療をするのですか?

DR. MOSKOWIZ

舌が前方に位置している前歯部開咬の最も効果的な治療方法は、舌スパーを使うことだ。私は、これをMexico CityのRoberto Justusから学んだ。このスパーは、突出しており鋭利だ。私は、これは上手いやり方ではなく野蛮だと考えていた。でも、それは逆だった。患者は、多分、舌でスパーに触れると、その後は、嚥下時に舌を前方に位置したり突出したりするのを止めるだろう。素晴らしい効果が、舌からの干渉がなくなって歯並びが正しくなる機会を与えられた時に、得られる。別口として、私は、通常、下顎リンガルアーチを使う。なぜならば、舌と口唇の力のバランスを変えると、舌スパーが使われた時に下顎切歯部に叢生を起こすだろう。舌スパー装置は、6ヶ月ほど使用される。私は、この舌スパー装置を成人患者にも使う。

当然のことながら、骨格関係の不調和が前歯部開咬に関与しているかどうかを決定しなければならない。垂直的な成長の大きいような好ましくない発達は、前歯部開咬の再発の原因となりうる。しかしながら、混合歯列期では、前歯部開咬のほとんどは、強い歯性の起源を持っているようだ。

147ページ

DR. GOTTLIEB

舌突出のための筋機能治療がうまくいったことがありますか?

DR. MALERMAN

私は、筋機能治療が効果があるとは思わない。頭蓋顔面を治せ、そうすれば、筋機能も、通常、改善される。それを一緒に治さないで、筋機能を治そうとしても、特に効果的とはいえない。

DR. MOSKOWITZ

私も、筋機能治療はあまりうまくいっていない。

DR. PHIPPS

私は、歯列矯正だけよりも筋機能治療を併用して、うまくいっている。私は、習癖のある開咬だけを早期治療している。もし萌出前に悪習癖を除去できれば、開咬は自然に治る。我々は、まず習癖を同定し、患者と親を教育し、患者に思い出させるような装置を渡す。我々は、消極的であまり無理のない治療から始め、必要なら、筋機能治療をも含めたもっと積極的な治療にしていく。

DR. GOTTLIEB

前歯過蓋咬合は、早期に治療しますか?

DR. BRAZONES

もし骨格パターンがClass Iで、大臼歯がClass Iで、前歯のオーバーバイトが深ければ、私は、適正なオーバーバイトとオーバージェットになるように上下切歯を並べる治療、すなわち、上下の2X4装置と短期のバイトプレーンによる治療を、を説明するだろう。その理由は、咬合をアンロックし、上下切歯をより良い傾斜にし、良いオーバーバイトとオーバージェットを作り出すことだ。この目的は、下顎切歯の磨耗を減らし、オーバーバイトが大きくなるのを止め、叢生が少なくて良い咬合になるよう未萌出の歯が萌出できるようにしてやることだ。私は、いつも次のように親に言っている。オーバーバイトは、第二大臼歯に装置を付けるまで、完全には治らない。

DR. MALERMAN

前歯過蓋咬合は、他の治療と同時に行われる。もし患者に前歯の垂直的な過蓋咬合以外に問題がなく、少しの前歯叢生がある場合には、ブラケットが付けられる年齢まで治療は延期されるだろう。もし他の部分を治療中なら、たとえば、矢状的な関係を治すために機能的顎矯正装置を使用中なら、前歯部の垂直的な成分が治るように、その装置を作るだろう。ほとんどの場合、前歯過蓋咬合は臼歯の萌出不全で起こるのではなく、--つまり、バイトプレーンの付いたHawleyは適さない--前歯の過萌出で起こることがしばしばだ。もし切歯が過萌出しているのなら、すべきことは前歯の圧下であり、臼歯の挺出ではない。これは、固定式装置で最もうまくいく。

DR. MOSKOWITZ

私は、バイトが深くて口蓋粘膜が外傷を受けており、そして機能的な理由から早期治療が必要な症例では、バイトプレートを使う。また、過蓋咬合により下顎切歯が過度に磨耗することもしばしばであり、このような場合には、早期治療の適応となると、私は考えている。しかしながら、私は、基本的には過蓋咬合を早期には治療しない。

148ページ

DR. PHIPPS

私も同感です。

DR. SARVER

我々は、過蓋咬合を早期治療しないことが多い。なぜならば、治しても、顔面パターンが過蓋咬合を再発させるからだ。また、過蓋咬合に関係する著しい機能的な問題は、早期には、通常、ないからだ。

DR. GOTTLIEB

上顎の正中離開を早期に治療しますか?

DR. BRAZONES

私は、もし中切歯が遠心傾斜して側切歯の萌出経路を邪魔しているならば、通常、早期に治療する。また、両親から社会的、審美的、スピーチの問題が提起されたなら、治療するだろう。私は、2X4、または、2X6を使い、指様弾線が付いたHawleyで保定する。

DR. SARVER

私は、上顎側切歯の萌出余地が必要でなければ、上顎正中離開は、早期治療しないことが多い。

DR. PHIPPS

私も、また、正中離開が側切歯の萌出障害になっている時に、正中離開を早期治療するだろう。正中離開の量が大きいと、側切歯が異所性萌出することもしばしばだ。

DR. MOSKOWITZ

正中離開の大きさが問題だ。正中歯を考えなくてもよければ、歯列咬合の発達を見るべきだ。"ugly duckling"ステージ--今日では用いられない用語だが--では、混合歯列期に上顎に正中離開が起こるが、成長に従って閉鎖する。もちろん、閉鎖することもあるし、閉鎖しないこともある。緊張した上唇小帯が、上顎正中のスペースの自然的な閉鎖を妨げるだろう。

DR. GOTTLIEB

どのくらい頻繁に小帯切除術を行いますか?

DR. MOSKOWITZ

我々の所では、小帯切除術は、ほんの僅かのパーセンテージで行われている。

SR. MALERMAN

小帯が低い位置にあり、上顎唇側小帯を舌側に引っ張っているような患者では、上顎唇側小帯切除術が考えられる。もし、X線写真で上顎正中に小隙が認められたら、そうすることが多い。

DR. PHIPPS

私は、口唇を唇側に引っ張った時に口蓋の前方部が白くなるほど小帯がタイトな時だけに、小帯切除術を薦める。

DR. SARVER

私は、正中離開で小帯切除することは滅多にない。何年にも亘って、受動的な萌出で上顎主小帯は上方に移動するという事実を私は見てきたし、20年前に小帯切除が必要だろうと私が考えただろう症例では、早期に小帯切除する利点がない。しかし、外見上で切歯が見えにくいのがa diminished smile curtainによるもので、小帯の付着部が高位にあることによる二次的なものであることも時々ある。そのような症例では、受動的萌出の終期に小帯の再付着が適用となる。

DR. BRAZONES

私は、小帯の関与の可能性と、完全な閉鎖は総合的な治療が始まるまで完全な閉鎖は起こらないかもしれないことを、いつも説明する。小帯の問題が大きいときには、歯周医に相談する。

DR. GOTTLIEB

小帯切除するのは、空隙閉鎖の前ですか、後ですか?

DR. SARVER

私は、歯肉構造が最終的な歯の位置に適合されるように、正中離開の空隙閉鎖後にすることを薦めている。空隙閉鎖前に小帯切除すると、歯肉乳頭が丸くなりブラックトライアングルが生じる危険性がある。

DR. MOSKOWITZ

私は、正中離開の閉鎖前に小帯切除をすることはほとんどない。なぜならば、正中離開の閉鎖の間に小帯が短くなる症例が多いからだ。正中離開の閉鎖中に小帯が厚くなるような症例では、小帯を取り除くことを強く勧めている。

DR. BRAZONES

私も、通常、小帯切除前に正中離開を閉鎖する。

DR. MALERMAN

外科手術をする途中の歯並びでは、瘢痕組織を生じる可能性があり、それが最適な切歯の配列を妨げるように働くこともある。私は、小帯切除をする前に、上顎中切歯が適切に配列するまで待つのが好きだ。これは、通常、ブレースを撤去する前の数ヶ月である。

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DR. PHIPPS

私は、小帯が本当に過剰であり空隙閉鎖を妨げていない限り、小帯切除を薦めることは滅多にない。このような状況では、空隙閉鎖の過程が複雑化する前に、小帯を短くしてもらうことを、私は好む。

DR. GOTTLIEB

どのようにして正中離開の閉鎖を維持するのですか?

DR. PHIPPS

私は、可徹式保定装置を、時々、固定式保定装置を使う。

DR. MOSKOWITZ

私は、正中離開の閉鎖を維持するために、上顎の側切歯から側切歯まで舌側ワイヤーを付けておくのが、好きだ。

DR. MALERMAN

私の診療室では、正中離開の空隙閉鎖は、全体的な矯正治療した場合と同じ保定装置で維持する。

DR. BRAZONES

私は、上顎切歯の舌側にワイヤーをボンディングするか、または、指様弾線の付いたhawleyを使う。

DR. GOTTLIEB

著しく捻転している歯を早期に治療しますか?

DR. MOSKOWITZ

一般的に言えば、著しく捻転している歯を早期に治療するのは有益だと、私は考えている。一つ言えば、著しく捻転している歯は、アーチレングスディスクレパンシィーによるものであり、治すと新しい問題を生じるだろう。加えて、審美性が、早期治療をするかどうかの判断基準となることがしばしばあるだろうと、私は考えている。捻転歯を長く放置すればするほど、矯正後に再発しやすくなるという考えがある。これについて私にはよくわからないし、この分野についての証拠に基づいた研究も私は知らない。

DR. BRAZONES

上顎または下顎の切歯の著しい捻転は、通常、著しい叢生を伴う。私は、通常、自然に配列するように、乳犬歯を早期に抜歯する。それから、捻転を治すために、2X4装置を使う。このような不正咬合では、続いて起こる叢生を予防するために、第一小臼歯の抜歯となることが多い。そうして、咬合の観察を続け、必要なら連続抜歯する。

DR. SAVER

私は、捻転の早期治療を主唱しない。

DR. MALERMAN

私は、捻転を早期に治さない。なぜならば、歯根の湾曲を起こしたくないし、側切歯の歯根を未萌出の犬歯の歯冠の方に動かして側切歯の歯根にダメージを与えたくないからだ。むしろ、私は、アーチレングスディスクレパンシィのある症例では、乳犬歯の抜歯によって、切歯が自然に配列するのを期待する。もし、切歯がを自然にほどけさせてやれれば、治療後の保定の問題も少なくなる。

DR. GOTTLIEB

著しく捻転した歯をオーバーコレクションしますか?

DR. MALERMAN

私は、45度以上に捻転した歯は、ほんの僅かだけオーバーコレクションします。

DR. MOSKOWITZ

我々は、著しく捻転した歯をオーバーコレクションしない。何年も前には、そうしていたが、違いはなかった。また、プレアジャステッド装置、または、一部プレアジャステッド装置を使っているのなら、オーバーコレクションは他の治療目的とぶつかる。

DR. BRAZONES

私は、著しい捻転歯をオーバーコレクションしない。

DR. PHIPPS

私も、オーバーコレクションしない。

DR. GOTTLIEB

歯槽骨頂より上での歯根膜繊維切断(supracrestal fiberotomy)しますか?

DR. MOSKOWITZ

我々は、時々、supracrestal fiberotomyを薦める。それらは、捻転の再発の程度を減少させる効果がある。我々は、その効果を信じている。このテクニックの関するEdwardsの論文は、読むに値する(文献6)。

DR. SARVER

私は、sulcus-slice proceduresをルーティーンにしていたことがあるが、そうした後でさえ、捻転は依然として問題となる傾向にあったので、止めた。正直なところ、SCFにあまり積極性でなかったことによるのかもしれない。Dr. John Edwardsは、私がするよりも、ずっとうまくsulcus sliceをしているのだろう。

150ページ

DR. BRAZONES

私は、滅多にこの方法を使わない。

DR. PHIPPS

私も、使わない。

DR. MALERMAN

私は、長期間捻転していた歯をsupracrestal fiberotomyで治療する。十歳代後半、成人、成長の終わっている人で、長期間捻転していたなら、supracrestal fiberotomyが薦められる。

DR. GOTTLIEB

どのようにして、捻転していた歯を保定するのですか?

DR. MALERMAN

このような患者は、ブレース撤去後一年間フルタイムで保定し、それから、夜寝る時にリテーナーを、基本的には一生、使う。

DR. MOSKOWITZ

私は、捻転していた歯の裏側にワイヤーを接着しておくのが好きだ。このリラプス傾向は強く、私は、正しい位置に歯を長期に保定しておけばおくほど、再発は少ないと考えている。私は、それを支持する証拠を持っていない。しかしながら、上顎切歯の捻転の再発は、a great practice builderではない。

DR. GOTTLIEB

第一大臼歯の捻転は、早期に治療しますか?

DR. BRAZONES

私は、他の理由で早期治療しているのでなければ、第一大臼歯を早期治療しない。私は、RPEに先立って捻転を治すだろうし、2X4装置を装着している間に治す。私は、再発を経験していない。

DR. MALERMAN

第一大臼歯の捻転は、通常、後から治す--即ち、歯の配列のためにブレースが付いている時に。我々が、歯の交換期に独立した治療として大臼歯の捻転を治すことを考えることは、滅多にない。

DR. MOSKOWITZ

第一大臼歯の捻転だけであれば、通常、早期治療の適応にはならない。しかしながら、軽度のClass II傾向のある上顎大臼歯の捻転は治されねばならず、それがClass II不正咬合の一つの原因であるかもしれない。上顎大臼歯の捻転が治されれば、一般的には、いい位置に保たれる。

DR. SARVER

我々は、抜歯治療を避けるために必要なスペースを得るために、大臼歯の捻転を治す。

DR. PHIPPS

私は、大臼歯の捻転を治すのに、歯列が成熟するまで待つ。もっと多くの永久歯が萌出するまでは、アンカレッジが問題となる。

Dr. GOTTLIEB

早期治療で、埋伏や異所萌出をどのように対処しますか?

DR. PHIPPS

私は、7-12歳の治療中の患者も治療中でない患者も診て、萌出を評価するために、1年毎のパノラマを撮影している。正常から明らかに逸脱がある場合には、治療するかどうかを議論する。どの状況にも対処できる「料理本」はない。

DR. BRAZONES

私は、パノラマに基づいて、早期に埋伏や異所萌出を探す。最も一般的にそうなる歯は、永久上顎犬歯だ。もし、それが近心傾斜していれば、私は上顎乳犬歯を抜くだろう。こうすると、通常、その歯が萌出方向を変えるチャンスができる。また、もし早期に移転歯が発見されれば、私は、乳歯を抜いてみる。もし異所萌出歯が犬歯でなければ、通常、私は、その永久歯を歯列内の好ましい位置にガイドするために、乳歯を抜く。

DR. MALERMAN

歯をうまく生えるようにしてやればやるほど、治療の必要性は減少する。混合歯列期において、もし歯が埋伏または異所萌出しそうなら、その上にある乳歯は抜歯され、必要なら保隙装置が使われる。こうすると、埋伏の程度を少なくし、または、未萌出永久歯の萌出経路を良くする。第一大臼歯の異所萌出は、大臼歯をClass I関係にするために、出来るだけ早期に治療する。

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DR. SAVER

私は、犬歯の埋伏を早期に治療すると、側切歯の歯根のダメージが心配だ。

DR. MOSKOWIZT

これは、多くの医源性の問題を生じる興味深い分野だ。混合歯列期にパンラマを撮らないと、時々、臨床医は、上顎犬歯や他の歯が異所性に発達するのを見逃す。著しく異所性に発達しつつある犬歯は早期に治療されるべきだと、私は考えている。乳犬歯を抜歯し上顎を拡大すれば、異所性に発達しつつある上顎永久犬歯の萌出方向が改善されることもしばしばであり、犬歯を外科的に露出させたり矯正的に牽引する必要があるかもしれない。時々、どのように異所性萌出しつつある犬歯が正常な萌出パターンになるのかを予測するのは困難であるが、外科的露出を避けようと試みるのは価値あることだ。混合歯列期の患者を診査して側切歯の歯冠が遠心に傾斜している時には、いつでも、上顎犬歯に問題があると、私は疑う。これは、X線写真で確認できる。また、第二大臼歯と第三大臼歯の位置的関係が良好でなくて、第三大臼歯が第二大臼歯の適切な萌出を妨げていることがある。私の意見として、混合歯列期の矯正診査は、パノラマなくしては、ありえない。

DR. GOTTLIEB

第三大臼歯の早期抜歯を考えたことはありますか?

DR. MOSKOWITZ

私は、決して第三大臼歯の抜歯を薦めない。そのやり方は昔に流行ったもので、現時点では、そんなに信頼性はないようだ。ほんの僅かなパーセントで、発達中の第三大臼歯の歯冠が下顎第二大臼歯の萌出を妨げることがある。そのような症例では、上顎でも下顎でも、第三大臼歯の抜歯を薦めるだろう。

DR. BRAZONES

もし第三大臼歯の歯胚が第二大臼歯の萌出をブロックしているなら、その第三大臼歯の歯胚の早期抜歯を考える。

DR. MALERMAN

第三大臼歯が第二大臼歯の萌出に干渉しているときだけ、抜歯を薦める。第二大臼歯が正常に萌出するチャンスがあるならば、異所性に位置する第三大臼歯は抜歯されるべきだ。

DR PHIPPS

私は、滅多に第三大臼歯の抜歯を薦めない。もし、他の外科処置が必要で、第三大臼歯は最終的に抜歯されることになるのであれば、薦める。

DR. GOTTLIEB

非対称は、どの程度、早期に診断しますか?

DR. BRAZONES

発見され次第。

DR. MALERMAN

非対称は、セファロ正貌エックス線写真と模型分析で診断される。診断模型を正中縫合を中心として対称となるようにトリミングすると、歯列の非対称性は、模型外形の対称性を参照することによって容易に視覚化される。

DR. SARVER

我々は、患者の顔面と歯を直接、臨床測定することによって、診断する。というのは、直接、顔面比率と正中線を視覚化することが唯一の方法だからだ。セファロ正貌も役には立つが、直接、臨床診査によって得られる情報の方が多い。我々は、患者の顔を見るや否や、直ちに診断する。

DR. GOTTLIEB

非対称をどのくらい早期に治療しますか?

DR. MALERMAN

骨格性非対称を起こす頭蓋顔面異常は、可能な限り対称になるように顔面成長をガイドするために、出来るだけ早期に治療される。歯列の非対称は、歯列配列の時に治療される。よりうまく対称的になるように成長させればさせるほど、顔面はよりバランスがとれ、歯の土台である骨はよりバランスがとれ、真直ぐにするのはより容易だ。

DR. MOSKOWITZ

下顎のシフトで起こる非対称は、早期に治療されるべきである。しかしながら、この非対称の幾つかは、下顎のシフトによるものではなく、関節頭の成長の問題による。このような状態は、違うように考えなければならない。これらの問題に取り組むためには、他の専門医が必要となることも、しばしばだ。ハイパーアクティブな関節頭中心の成長活性は、治療開始する最も最適な時期を検討するために、評価される。非対称がより大きな歯顔面の問題の一部分である時、外科的治療や歯列矯正以外の治療と併用して、矯正治療がなされなければならない。他の非対称は歯列弓の問題を含んでいるかもしれないし、それぞれの症例は、その長所を考えて評価されなければならない。

152ページ

DR. PHIPPS

私は、外科処置を避ける努力をしながら、患者が成長しつつある間の混合歯列後期から永久歯列期初期に着手するのが好きだが、アンカレッジの確保のための十分な永久歯が必要だ。

DR. BRAZONES

私は、骨格性の非対称を早期に治療しない。

DR. SARVER

治療のタイミングは、その非対称が骨格性であるか、それとも歯性であるかによる。骨格性非対称は、思春期の成長スパートの時期に治療されるだろうし、一方、歯性非対称で大臼歯の遠心移動が必要なら、12歳臼歯が遠心移動を妨げる前に、早く治療するかもしれない。

DR. GOTTLIEB

皆さんのうち、幾人かは思春期と思春期前スパートについて述べられましたね。この成長スパートのタイミングをどのように判断しますか?

DR. BRAZONES

私は、ルーチンで手首のエックス線写真を使う。

DR. MALERMAN

少年の声変わりや顔面毛の状態や少女の生理の開始等の通常の指針と加えて、身長と体重をしばしば測定する。顔面成長や歯の発達は、しばしば、身体の成長の変化に続いて起こる。

DR. MOSKOWITZ

成長スパートを知るのに、多くの指標が使われてきた。そして、この時期が、全てのClass II不正咬合でないにせよ、多くの症例を治療する最適な時期だ。ほとんどの経験豊かな臨床医は、ドラマティックに成功したClass II治療の幾つかが、治療中の下顎の寛大で予想だにしなった好ましい成長のお陰であることを、直ぐに認めるだろう。残念なことに、現時点では、思春期成長スパートを予測する極めて正確な方法はない。手根骨エックス線写真は、矯正分野ではかなり限定的な利用しかできない。その正確さは、1標準偏差以内以上のものではない。それは、与えられた標本の66%ぐらいだろう。コインを投げれば、手首のエックス線写真ほどの正確性が得られる。我々は、成長スパートがいつ起こるか、そして、その大きさがどのくらいかを正確に予測することは出来ない。理想的には、それが予測できれば、ものすごく役に立つだろう。そうなれば、我々はより優れた矯正医になれるだろうし、そして、多くの症例の治療の治療期間は短くなり、治療も効率的になり、治療結果も良くなるだろう。

DR. PHIPPS

思春期の成長スパートは、重要なものだ。なぜならば、それは、第三大臼歯を除いて、永久歯列の完成としばしば一致するからだ。少女では、通常、11から12歳の間に起こり1年ぐらい続き、少女から女性へ変化することでわかる--時々、一点から他点に移るように一瞬のうちに起こる。一方、少年では、通常、思春期成長スパートは13歳か14歳のあたりで起こり、しばしば数年続く。思春期前成長スパートはそんなに大きくないが、8歳と11歳の間に起こる小児期の成長がある。

DR. SARVER

女性の方が顕著だが、身体的特徴が重要な情報だ。cervical spine maturationに関するイタリアとミシガン大学の最近の研究は、成長スパートに関係する骨格性成熟の良い指標になるようだ(文献7, 8)。

DR. GOTTLIEB

最後に、なにか意見はありますか?

DR. MOSKOWITZ

何年もの間、矯正医は、当然、多くのClass IIの早期治療の利益について自問してきた。よくあることだが、中等度のClass II症例の非常に早期の治療では、治療期間が長くなり、治療費も高くなるが、もっと後に開始する1回だけの治療から得られるだろうものに比べて、感知しうる利益がない。もう少し言えば、Class II治療結果についての比較的最近のランダムな臨床トライアルの多くは、臨床医の経験と一致することは興味深い。実に、研究者や臨床医は、これまでのドグマティックで実体のない臨床的利益の概念を変える助けとなるべき共通の基盤を見つけつつある。Lionel Sadowskyは、このような単眼的な考えを、「もし私がそれを信じていなかったなら、私はそれを見ていなかっただろう」的な考えだと言っている。我々は、我々の臨床経験についてもっと深く考え、かつ正直であるように努めなければならない。我々の診療室での正確な診療録の吟味は、しばしば、我々が実際に何をしたか、そして我々が何を考えたかについて、興味深々に謙虚に光を当てるはずだ。更に、治療プロトコールを評価するために、膨大な時間を費やし、重要で意味ある研究を計画実行する努力をしている学術に興味ある同僚を、我々はサポートする努力すべきだ。我々の患者も、結局、そのような努力の恩恵をこうむるだろう。

DR. BRAZONES

早期治療についての疑問は、次のような基本に帰せられる:

・診断-問題リストは何か?

・早期治療で達成すべきゴールは何か?そして、全体的な治療で達成すべきことは何か?

・両親のゴールは何か?

・両親は、早期治療の限界を理解しているか?

・これらのゴールは、早期治療で達成されうるか?

・なぜ、歯や骨は、第一段階治療で治される、または、変えられるべきか?

・患者にとって、最も興味あることは何か?

・その不正咬合や骨格パターンを、早期に何もしなければ、永久歯列期で治すのがより困難になるだろうか?

矯正医は、依然として、50年前と同じ疑問や関心を持っている。

・いつ、ケアの標準を同意、または、確立するだろうか?

・紹介してくれた歯科医から、早期に何かしてほしいというプレッシャーがあるか?

・両親から、子供が可能な限り良く見えるようにしてほしいというプレッシャーがあるか?

・ライフスタイルの中で、生産性を増加させるというプレッシャーがあるか?

・隣の矯正医がその患者を早期に治療するだろうと、恐れているか?

我々は、子供にとってベストな方法を探している両親を利用することは出来ない。彼等は、我々がベストを尽くすと信じている。最良の矯正治療計画とその結果は、二段階治療を示しているか、または、一段階治療治療を示しているか?

DR. MALERMAN

早期治療するかしないかの決定は、個々の臨床医の安楽さのレベル、理解、経験に基づくべきだ。早期治療をするかどうか、そして、いつ治療するかの決定は、担当している矯正医によってなされるべきだが、異常に気付いた時期を患者が知らされていることを確かにするために、公衆広報活動をしている矯正医コミュニティや、一般歯科医コミュニティや小児歯科医コミュニティと一緒に仕事をしている矯正医コミュニティにもよる。それから、矯正医は、個々の患者の必要性に応じて、それぞれの患者を評価できる。

DR. PHIPPS

数年前に、AAO Early Treatment Conferenceがあった時に、私は、治療哲学として、早期治療を注意深く厳密に観察した。ほとんどの症例で、一回だけの治療と比較して、総治療期間は長くなり、治療費用も大きかった。しかし、治療結果は、極めて類似していた。さらに重要なことに、二段階治療の総チェアータイムは、かなり長かった--余分にかかった治療費のcost/benifitを十分に越えていた。それ以来、私は、早期治療をかなり選択するようになった。これまでに、それが利益的であることが証明された。

DR. SARVER

私が最初に私の診療所を開いた時に、私は多くの小児歯科医を訪ねた。彼等は、その当時は1980年代初期だったが、ほとんどの矯正医は早期治療を拒否していることを確信していた。彼等のメッセージは、「もし矯正医が私の患者に早期治療をしてくれるのなら、もっと患者を紹介するのに」だった。初心者の耳に音楽だ(Music to the beginner's ears!)。彼等が引き受けない患者を私が引き受けていこうと決め、私は、極めて多くの早期治療を行った。幾つかは治療に素晴らしく反応し、幾つかは反応しなかった。だから、私が早期治療した症例の数は、第一段階治療が有益であると考えた症例だけを選択するようになるにつれて、減少していった。結局、インフォームドコンセントに注意しながら、ケースバイケースでの治療に落ち着いた。患者の希望や価値ある第一段階治療へと導く要因を考え、即ち、著しいオーバージェットを減少させたり、マイナスのオーバージェットをプラスにしたり、スペースと審美性のために拡大したり大臼歯の遠心移動したりした。そして、もし顔貌が家族にとって重要ならば、それを改善した。

DR. GOTTLIEB

JCOの読者を代表して、早期治療に関する興味深く役に立つ議論をして下さった先生方に、感謝いたします。

REFERENCES

3. Gianelly, A.S.; Crowding: Timing of treatment, Angle Orthod. 64:415-418, 1994.

4. Pinto, A.S.; Buschang, P.H.; Throckmorton, G.S.; and Chen, P: Morphological and positional asymmetries of young children with functional unilateral posterior crossbite, Am. J. Orthod. 120:513-520, 2001.

5. Sonnesen, L.; Bakke, M.; and Solow, B.: Bite force in pre-orthodontic children with unilateral crossbite, Eur. J. Orthod. 23:741-749, 2001.

6. Edwards, J.G.: A long-term prospective evaluation of the circumferential supracrestal fibrotomy in alleviatin orthodontic relapse, Am. J. Orthodo. 93:380-387, 1988.

7. Franchi, L.; Baccetti, T.; McNamara, J.A. Jr.: Mandibular growth as related to cervical vertebral maturation and body geight, Am. J. Orthod. 118:35-340, 2000.

8.Baccetti, T.; Ftanchi, L.; and McNamara, J.A. Jr.: An improved version of the cervical vertebral maturation (CVM) method for the assessment of mandibular growth, Angle Orthod. 72:16-323, 2002.

以上、私が全訳しました。